技術書前準備連載

『寝技の学校 引き込み編&抑え込み編』を書くにあたり、

コラムを書くスペースがある、ということで、

ネタを色々書いてみて、よさそうなのをまとめて

本に載せよう、と思って2011年の7月~10月に

ぼちぼち書いていた連載です。

 

一部は本のコラムに載せましたが、

残りはそのままになってしまっているので、

せっかくだから、こちらに載せておきます。

(まあ、とても一般に出版できるような内容ではない、

ということもありますが)

 

意識について

色々あって、思っていることをまた連載で書きます。

 

乱取り中、意識を自分の身体全体・・・・・足の爪先から、

両手指先、頭の先に通わせておくことが必要になります。

 

そうすると、自分の身体全体が有効に使えます。

言い換えると、それぞれのパーツ(腕や足や頭など)を無駄にしないですむ、

ということです。

 

また、相手の身体全体に、自分の意識を通すこともできると良いです。

そうすると、相手のスキが分かったりします。

考えるわけでなく、感じれるのです。

そのために意識を向けておくことは大事です。

 

また、自分を中心にした球状の空間に意識を張り巡らせることも必要です。

自分の身体が、自由に動けるようになります。

 

それと、時間(過去・現在・未来)にも自分の意識を向けれるといいです。

なにやら秘密めいた書き方になりますが、

ようは、相手の動きを読めるようになると、自分が有利になりますね。

また、自分の身体全体の動きを時系列で把握できていると、

自分の身体が自由に動かせるようになるからです。

 

 

動きの予測

相手の動きを観察すること。予測することが大事なんだよね。

だって、相手の動きを予測できて、それに自分が対応できる自信・・というか

対策というか、技術があれば、何もあわてる必要はないし。

 

相手の動きが読めないとき、相手がやってきたことに対応できないときは、

リラックスなんかできるわけないんだよね。

そりゃ、あわてるわ。んで、やられるんだよ。

しかも、あわててると、観察できないから、慌てながらやられると、

あんまり為にならないんだよね。やられた経験を活かすことができないから。

 

予測するためには観察することが大事だから。

まずは観察ですね。やられながら観察すること。

「ああ、俺、こういう状態から、こうやってああやって

そうやってやられてんだ」って。

 

そうしないと、対策もクソもないよね。

 

ホント、落ち着いてやられることって大事だよ。

初心者さんには難しいかもだけど、単にテクニック何だから、

つまらんプライドはとりあえずどっかにおいておいて。

 

ただ、予測ってのは、頭で考えるのでなく、前回書いたように

感じること。がメインになるわけですが。

その辺の感覚は養わなきゃですね。

 

 

矛盾の両立、バランス

寝技を上達させるのに、矛盾することを両立させることが

必要になると思います。

 

「これさえしてればいい」というものはありません。

そんなものがあるなら、誰でも金メダリストになれます。

 

そういうものは無いんです。

いや、これ、結構大事なことなんですよ。多分。

 

どう考えても、矛盾するもの・・・・

例えば身体を丸めたり反らしたりすること・・・

う~ん、あんまりよくない例だけど、他のが思いつかない。

 

この例だと、反らすべき時は反らして、

丸めるべき時は丸めるってことだなぁ、

う~ん、それでもいいのか。

身体を同時に丸めたり反らしたりできないもんね、いや、

何かでもそれが大事な気がする。

いつでも必要に応じて反らしたり丸めたりする準備ができていること?

自分でも良く分からん。

 

ヒクソンが「バランスが大事」って言ってて、

それは僕は凄く感銘を受けて、

 

それって、AとBと相反することのバランスをとること、と同時に、

「バランスをとること」と「バランスをとらないこと」の

バランスをとることも大事なんじゃないか?

おお、それって奥が深けぇ。。。。と思ったんだわ。

 

僕の好きな言葉に「例外の無い原則は無い」という言葉があって、

 

え?それって、この原則にも当てはまるのであれば、

「例外の無い原則もある!」ってことじゃねえか?

なんじゃそりゃ、わけ分からないけど面白い!と思ったことがあった。

 

なんか、それと似てるんだね。

 

 

集中

竹下さんとしゃべってたんだけど、

試合で実力が出せないそうだ。練習ではあんなに強いのに。

 

なんだろね。俺はテクニックをしゃべるのは得意なんだけど、

精神的なことはあんまりしゃべりたくないんだよね。

みんな人それぞれ違うから、やり方とか適切な方法はかなり違うと思うから。

 

それと、俺は、自分をかなり変わった人間だと認識してるから、

自分のやり方が他の人に当てはまるとは、あんまり思わないんだよね。

 

まあ、昨日しゃべったことを書くと、

僕の場合は、「これ以上近づくと、すまんけど、僕、やっちゃいますよ」

みたいなラインが結構明確にあって、

ラインと言うより、僕の場合は、空間上の小さい点なんだけど。

 

昨日しゃべったときは気がつかなかったけど、

多分、始めの接触が大事なんだろうね。

いずれにしろ、攻防が始まったら、間合いは当然のように詰まるんだけど、

始めの接触時に、自分がコントロールできてたら、

それ以上お互いが近づいて攻防が始まったときも、

自分が少しは優位に立てているはずだ。

逆の場合もまたしかりだよね。

 

だから、自分がもっとも集中しなきゃいけないのは、始めの接触・・・と、

それに近くなったとき、なのでは?

 

いつもかつも集中するのは難しいので、そこだけは集中するようにすれば

少しはマシなんじゃない?

 

そして、それは、精神的な集中も重要な要素だけど、

コントロールするという単なる技術も、それ以上に大きな要素なんだよね。

だから、試合で優位に立つには、

始めの接触時に相手をコントロールする技術を

より多く持ったり、質を高めておく必要があるんだろう。

そして、そういうことは、普通はテクニッククラスではやらないから、

個人の資質によるところが大きいのかもね・・・・

って言っててもしょうがないから、指導者としては、

それを習得するための方法を考えなきゃなんだろうけど。

 

ホントは、立禅や推手でもすれば、って言いたいんだけど、それは嫌だろうね、みんな。

地味だし。あ、実際、俺もやってないわ。

でも、ああいう意識を持って乱取りしてれば、

そういう意識って少しは発達すると思うんだ。

「ああいう意識」や「そういう意識」ってなんだ?

と訊かれそうだね、そう言われればそれが大事だ。

書ければ明日書くよ。なんてテーマになったんだろ。

 

 

あと、昨日書いた、矛盾することを両立させる・・・って、

精神的なことの方が例としては適切だったですね。

 

さっき書いた、集中とリラックスとか、両立・・・・というか、適切に使い分けることが

難しいんですよ。ホント。俺もまだまだだけどね。

 

 

ファーストコンタクト

さて、前回書いた、ファーストコンタクトの話。

とあるマスコミ会社で一番柔道に詳しいと思われる方としゃべったんだけど、

大事なのは当たり前だけど、どうやったらそれを上達させれるのかということは

答えが出なかった。

 

誰か知ってたら教えて。僕も考え続けるけど。

 

あと、その前書いた、矛盾することを両立させる・・・って、

方針とかもそうですね、得意技を磨くのか、いろんな技を身につけるのか。

どっちも大事なんだけどね。結構な矛盾だわ。

 

 

得意技

得意技を身につけることは大事です。

 

どうやって身につけるかは、2つあると思うのですが、

1)自然とできるようになっていた

2)工夫してできるようになった

 

1)がいつもかつも起こってくれれば良いのですが、

そういうわけにもいかないので、工夫も必要になります。

努力というのはなんか嫌いなので、単なる工夫としています。

 

どんな技を得意技にするか決める必要があります。

それも2通りあって、

1)なんか、自然とこういう体勢になっていることが多いから、そこからできる技にする

2)この技をやりたい!と自分で決める

ことだと思います。

 

文章が滅茶苦茶だけど、

>2)工夫してできるようになった

の工夫のことについて書きます。

 

知的に考えつくすことが大事です。

 

身体の知恵を使うことも大事です、

身体の知恵は、なんと言いますか、命がけになったり無我夢中になると

出ることが多いです。

でも、大変だから、普通の人はあんまり頼らない方が良いと思います。

身体を壊したら元も子もありません。

 

普通の人は、ゆっくりとした動きを繰り返して、上手く言えないけど

感覚を養っていくといいと思います。

 

でも、試合に出る人は、それだけではダメで、早い動きも必要になります。

どんどんスピードとパワーを増す必要があります。

でも、危険度がドンドン上がるので、趣味でやってる

普通の人はそこまでやらないでも良いと思います。

 

 

また話は跳ぶかもですが、

得意技って、身体全体が一丸になるんですよ。

一丸になって、自分の力を結集させて必要なタイミングで相手にぶつけていくこと

(一応書くけど、逆に言えば、不必要な時は相手に不要な力をかけないこと)

 

一丸って・・・・この感覚が難しいと思います。

頭で「全力で。身体全体が無駄なところなく、合目的に働かせよう」

とか考えても、多分無理です。

心技体が一体になった感覚・・・・耳障りはいいけど、さっぱり分かりませんね。

でも、確かに、精神もある状態になってるんですよ。得意技するときって。

 

この感覚が分かって、それを道しるべにしたら、得意技を増やすことが

できると思うんですけどね。

まあ、大したレベルで無い僕の考えですが。

 

今日も目茶目茶な文章でした。

 

 

力について

普通の初心者さんは、乱取りではどうせやられるんですから、

無駄に力を入れるだけ損です。

(才能がある人は別よ)

 

お互いに疲れるし、怪我をする可能性が高くなるだけ・・・・・

と、僕は思うんですけどね。

 

なんちゅうかな、身体をがちがちにするのは、なるべく一瞬か、短い時間にして、

それ以外のときは、もっとフリーにしてた方が良いと思うんですけど。

以前にも書いたけど、もっと観察するんだよ。

まあ、疲れて満足してもいいけどね。

ダイエットや運動不足解消が目的の人は。

 

見もふたも無いことを書きますが、

以前も書いたけど、普通の素質の初心者さんは、技を習っても、

自分より先輩には、まず、そんな技はかかりません。

乱取りではひたすら守るばっかりです。

 

でも、打ち込みで、攻める技の練習をするのはなんでか、といえば、

自分より初心者さんが入ってきたとき、

その人をやっつけれる人になっておくために必要だからです。

 

もちろん、先輩達よりも、素質に恵まれていたり、努力の量がはるかに上回ったり

していれば、その人たちをやっつけれるようになるかもしれませんが。

 

その辺の、人と比べた強さと、以前の自分と比べた強さのどちらに

重きを置くか、というのは、人それぞれですけどね。

 

 

力について

 昨日書いた内容だけど、大事なこと書くの忘れてたけど、

(ツイッターでご返事受けて思い出したけど)

 

初心者さんでも、馬鹿力出されると、僕も力を入れざるを得なくなって、

それは試合志向の僕には良い練習になっていいんだけど、

初心者さんには、疲れるだろうし、痛いだろうし、

多分過程を覚えてないだろうから反省もできないだろうし、

申し訳ないなぁ、って常々思っていたのが、

あの文章を書こうと思った動機なんだよね

 

もし、会員さんの中で

「自分がフルパワーで向かっていっても、

 大賀さんなら軽くいなせるはずなんじゃないか?」

とか思っている人がいたら、それは幻想です。

 

とてつもない技術の差か、体力の差があれば別ですが、

そうでなければ、無理だと思うんだけどな、俺は。

 

特にがっちりつかまれると厄介です。

ヒクソンも、グリップとハートが強いやつは強くなるって言ったよね。

 

まあ、世の中には、そんな人も軽くいなせる人がいるかもしれませんが、

僕は会ったことはありません。

だから、いるとしても、なかなか会えないと思います。普通は。

 

話はそれるけど、僕はもともと、あんまり

格闘技道場をやることに乗り気でなかった理由は、

体重が軽かったことがあります。

60kgではきついです。会員さんと乱取りするのにも。

 

70kgあれば、かなりましだと思うんですけどね。

 

しかし、体重60kgで重い人とひいひい言いながら乱取りしたおかげで、

マスターシニアで優勝したり、ムンジアル3位になれたんだから、

まあ、物事ってどうころぶか分からんね。

 

個人的には、練習相手の重さが同じであれば、

60kgの人が10練習してるとしたら、

70kgの人って、20くらい練習しないと、

同じくらいの負荷にならないんじゃないかって思ってるんだけど。

 

100kg超えると、動くだけできついらしいから、

その、負荷曲線がどこで極大になるかは分からんけどね。

おお、蛇足蛇足。

 

 

動きを読むこと、モンキーハンティング

以前、「相手の動きを読むことが大事」、と書きました。

 

そりゃそうです。相手が技にかかってくれやすい状態になっている!という時に

技をかけると、技をかけはじめてからかかるまでに時間(t秒としましょう)がかかるので、

その間に相手が違う状態になってしまえば、技はかかりません。

 

だから、「t秒後に相手が技にかかってくれやすい状態になっている!」というときに

技はかけると良いです。そしたらドンぴしゃりです。

 

とても有名な問題・・・モンキーハンティング

http://kuwako-lab.com/wordpress/?p=1163

であれば、

何も考えず狙えばよいのですが、この背後に

http://chemquiry.kakurezato.com/Molecule/bakatest_8-6.html

という数式が存在していることを知ると、

目に見える現象が単純に見えても、その背後には時々、複雑な背景(?)が

隠れていることが分かるかもです。

 

だから、別に色々考えなくても技を使える運動神経の良い人って、

とりあえず狙うんだよね。「だって実際これで当たるじゃん」とか言いながら。

 

普通は、なんか小ざかしく色々考えて(考えたつもりになって)

猿より下を狙いがちなんだよね。んで、当たらないんだよ。

当たらないだけならまだしも、

何も考えなくてそのまま狙って当てる人を非難したりするんだよ。

「苦労してない」とか。

あんたの苦労は、無駄だっての。

 

本質を理解した人は、理解してそのまま狙うでしょ。へ~、ホントだ、とか言いながら。

 

 

おお、全然違う方向に話しが行ってしまった。びっくりだよ。

 

 

モンキーハンティング。一応説明

===

モンキーハンティングとは、

大きな音がするとビックリして木から落下してしまう猿に対して、

離れたところから鉄砲を命中させるにはどうすれば良いのかという問題です。

 

このような臆病な性質を持つ猿に球をぶつけるためには、

はじめに猿のいる位置よりも上に打った方がよいのでしょうか?

下に打った方がよいのでしょうか?

 

実際に計算をしてみると、これがなんと、

「普通にそのまま猿に向けて打てば良い」ことがわかります。

 

 

距離のはなし

相手と距離をとりたいときは、筋力をつかって、

相手のとの距離を大きくする必要があります。

 

具体的に言うと、手なり足なりを相手に当てて、肘なり膝なりの関節を伸ばす、

ということです。

それには、かなりの量の筋肉を使う必要があります。

 

相手との距離をキープしたいとき、言い換えれば、

ある程度の距離が取れていて、それ以上近づいてほしくないときは、

筋力を使う必要はそんなにありません。

 

骨(ほね)を使って、距離をキープすればいいだけの話です。

骨がつぶれるほど、相手のプレッシャーが強いことは、まずないでしょう。

ただ、関節を固定する小さい筋力は必要になります。

また、関節を固定する・・・というか締めるのには、

この角度や状態であれば、ここの関節はこの角度を楽に保持できるとかの

知識?感覚?が必要にはなるでしょう。

 

昔、ある人としゃべったのですが、僕は多分、これに長けているのです。

あんまり体幹とか強くないんだよね。

小手先の強さや器用さがあるの。

特に、四肢の骨についての意識はとても強いね。

今、骨がどんな状態だから、ここにつっかい棒入れとけば

スペースはつぶされないぞ、とか。

 

今の時流は猫も杓子も体幹体幹だから、ちょっと肩身は狭いんだけど。

 

でも、まあ、そんなんでもある程度のレベルにはなれるようですから、

いいんでしょ。そんなことだからムンジアル獲れなかったとも言えますが。

 

あ、あと、初心者さんって、とにかく相手を自分から遠く突き放したいと

思うのかもですね。

まあ、考えれば分かりますが、手や足の長さは決まっているので、

相手をどこまで遠ざけれるか、ってのは、落ち着いて考えれば分かりますね。

 

それと、実際は、無駄に遠ざけると、相手は自由になるので、

別のルートから攻めてくるかもですよ。

 

必要最低限のスペースさえあけていれば、相手は攻めれないし、

近づいている相手は、動きをコントロールすることはしやすいので、

そこから攻めに転ずることがしやすいかもです。

 

まあ、実際にその感覚を身につけることが、ちょっと大変なのかもですが。

 

 

寝技の分かりづらさ、時間の使い方

寝技って何でこんなに分かりづらいのかね?

多分、教える人のレベルが低いからじゃないかな、と

今は思ってる。俺も含めてね。

 

時間が無いのでこれまで。

また覚えてたら続き書きます。

 

あ、東大柔道部の林さんに昨日しゃべったこと。

これはあくまでも、現役の七帝柔道部員向けの話ね

 

ビデオ見る時間が10あったら、

5は

「柔道 寝技指導の全て」全6巻

「岡野功 私の得意技」2本組み

「寝技で勝つ 柔道」

に使う

 

2は寝技研鑽会

 

3は

名大元師範小坂さんのDVD

小室さんのDVD

柔術、サンボ、レスリングなど格闘技

スケート、水泳、陸上などスポーツ全般

 

に使うとちょうど良いのでは?

 

 

身体を使う時間が10あったら

柔道5

筋トレ、心肺機能アップ4

その他1

 

全生活の時間が10あったら

5柔道

3勉強(含む学業以外)

2その他

 

どうなんかね?こうやって書き出してみると著しくバランスを欠いている気もするね。

 

 

力を使う、力を抜く

力使うなとか、力抜けとか言われますが、なんなんだろね。俺も言うけど。

力ない人が、力使わないようにしたらダメよ。

力は絶対的に必要なんだから。

力がある人は力抜いていいけど、力の無い人は抜いちゃダメよ。

 

賢い人と、賢くない人がいたとして、

賢い人に、「お前もさぁ、もうちょっと馬鹿になれよ」というのはアリかもだけど、

賢く無い人には「お前、もうちょっと賢くならないと、使い物にならないよ」と

言いますよね。そうしないと、箸にも棒にもかからないんだから。

 

もっと言い換えると、力を抜くということは「高級な遊び」と言ってもいいと思うんですね。

それをやりたければ、力が無いと話にならないのでは。

 

ここでいう力とは・・・ムキムキな力じゃなくて、身体の全身を一つの目的に向かって

統一・連動させて動かす、身体に遊んでるパーツをなくす、ということなんだけど・・

また、ややこしくなったね。

 

あと、精神的な力・・・・というか、

「相手を(クールにでも、遊びながらでも構わないけど)最終的には絶対にやっつける」

という意志は必要なんだよね。

 

そういうものがなかったり、相手を(技術的・体力的に)やっつけることができない人は、

力を抜くこととか、考えないで良いと思うよ。

 

ただ、良くあるのが、無駄に脇を締めたり、

無益な方向に相手を引っ張ったり押したりする人に「力抜け」っていうけど、それは違うと思うんだ。

「落ち着いて、どっちに力を掛けたらいいかよく考えて(感じて)、力をかける方向を、

 もっと適切な方向に変えたら?」

というのが良いアドバイスだと思うんだ。

 

あくまでも、相手をやっつけれるようになってから、力を抜くことを考えるのが良いのでは?

何度も言うけど、やっつけれないのに力を抜こうとするのは、畳の上の水練だわ。

まあ、あくまでも僕の考えですけど。

 

 

完成形から巻き戻す

「上手く行かない技は、完成形から巻き戻す」

腕十字って難しいですよね。手順が多いですし、体の動きも大きいですから。

 

この掲示板では何度も書いてますが、そういう技、たとえば

マウント→腕十字

が上手くいかないとき、

 

マウント→腕十字 を何度も繰り返すのでなく、

腕十字→マウント のルートを進んでみることをお勧めします。

 

だって、普通にいけないときって、何で行けないかって言ったら、

なんていうかな、無理なことをしようとしていることが多いんだよ。

 

右足がこの位置にあって、向こうの角度を向いているのに、

左足をこっちに持ってきて、身体全体をこういう角度にしたいって、

そりゃ落ち着いて考えてみなさいよ、そんなの無理でしょ。ってことが多いの。

イメージしてもらえれるかわからないけど。

 

だから、完成形を作ってから、マウントに戻ろうとすると、どこかで引っかかるんだよね。

そこに問題があるの。

そしてそれは、なぜかマウント→腕十字をやってるときは、何故か気がつかないの。

「あれ?何で行けないんだろう」って思うくらいで。

 

いつも以上にわかりにくい文章になってしまってすみません。

 

 

鍵と鍵穴の関係(じゃんけん)

ガードと、それをパスするための方法、

もしくは、ベースと、それをスイープとか決める方法って、

鍵と鍵穴の関係なんだよね。

 

鍵が違ったら、いくら早く差し込んでも、強く回しても開かないでしょ。

鍵が合ってたら、ゆっくり差し込んでも、軽く回しても開くでしょ。

もちろん、タイミングが合ってないと駄目だけど。

 

例を変えると、じゃんけんと一緒。いつも言ってるけど。

相手がパー出してるのに、いくら一生懸命グー出しても駄目なの。

柔術って、そういう競技な所もあるの。

 

力やスタミナももちろん大事だけどね。

それと同じくらい大事。

 

んで、そういう競技だということに気づくのがなかなか難しいんだ。

そのフレームというか・・・・結構独特の枠組みだと思うよね。

そして、それを自分で考えるための方法を身につけるのが、また結構大変。

 

もちろん、偉そうに書いてますが、僕も全然駄目駄目なレベルだったのよ。

もっとその辺のセンスがあれば、ムンジアル優勝できたかもだけど。

まあ、終わったことだからしょうがないけどね。

それにしても、残念だ。コブリーニャとかハファとかの頭の中って見てみたいわ。

 

率直に言って、彼らに僕が、運動神経や筋力やスタミナで負けるのは、まあ、しゃあないけど、

そういう思考回路とか思考方法でも負けている、ということは

本当に残念なんだよ。そこでしか勝てるところ無いのに。

 

まあ、それを得るための経験の絶対量が足りなかったのだろう。

(要は、練習と研究が足りなかったってこと。センスもか?)

 

あ、柔術の分野に限って言えば、多くの日本人は、

体力でも精神力でも技術でも外人トップに劣っているからね。

 

どうも、技術では負けてないとか思っている人もいるようだけど、

ちゃんと認めないと、差を埋めることはできないからね。

差があるだけならまだしも、毎年毎年差が広がってますから~残念。

 

 

2つの「守る」

本江君としゃべってたんだけど、

守るってのは、2つあるんだよね。

 

1)相手の攻めを守るということと。

2)攻めながら守る、ということ。

 

言わば、

1)は、普通に言われるディフェンス。

相手の攻めてくる技を無効化するためのディフェンスですね。

もちろん、ずっと守っていても良いし、カウンターをとっても良いです。

 

2)は、ペースを握り続けてそれを守る、ということ。

相手に攻めさせないように、自分は組み勝ち続けるし、

カウンターをされないように、ある程度以上は無理には攻めない、ということですね。

自分がポイントで勝っていて、一本勝ちは難しいとか、

スタミナを温存して勝ちたいとうときに使うこともありますし、

 

ポイントが同点でも、組み勝ち続けることでレフェリー判定勝ちを狙うこともあるでしょう。

(審判が勝ちにしてくれるかどうかは分かりませんが)

 

負けてるときはあんまり使わないかもですが、事情があるときは、

相手の様子を伺って、後半に一気に畳み掛けたいときなど、使うときもあるかもです。

 

 

あと、話は変わるけど、

攻めるのと守るのとどっちが難しいか、とうことだけど。

 

レベルが低い・・・というか、ノーガードで打ち合うような試合展開

(お互いの、ディフェンス技術が低い場合)は、

攻めるのが簡単かもです。先に攻めたほうが勝ち、みたいな感じですね。

 

ある程度レベルが上がると、攻めるのが難しくなります。

なぜなら、技を守る方法は、たくさんあるからです。

いろいろな時点で技を止めることができますし、

技を防ぐ方針もたくさんあります。

だから、技を完成させるためには、相手が使うであろうあらゆる防御方法への

対応ができていないといけないからです。

 

まあ、力やスピードがあれば、そういうのをスキップできる、という側面も

もちろんあるのですが。

 

それはいいとして、先に書いた

>相手が使うであろうあらゆる防御方法への対応

これがノウハウというものですね。

 

だからなんだと言われたら困るけど、まあ、書いたから掲載しておきます。

 

 

本間さん  

一月遅れでゴン格読んだけど、黒ガロ3位の本間さん、写真だけか!?

なんなのそれ?

現役の、今活躍している選手だよ。

何で修斗からまた柔術に戻ってきたかとか、どんなことを考えて練習してるかとか、

目標は何かとか、コンディショニングどうしてるとか、トレーニングはどうかとか、

練習メニューはどんなもんかとか、将来はどうするかとか、

日本・世界の柔術界にどんなこと考えているかとか、

みんな聞きたくないのかなぁ?

 

中井さんの意見も、そりゃそれでいいけど、彼の言ってることは仮説だからね。

俺の連載も、もちろんそうだけど。

人は視点が違ったりするから、読むと「ふ~ん、おお、なるほど」と思うかもしれないけど、

価値があるかどうかは、全然分からないの。今のところは。

 

本間さんの言葉はやっぱり、本当の一次情報だし、それを聞きたいじゃない。

柔術魂で取り上げるのかもしれないけど、それじゃ普通の格闘技ファンの

目には触れないじゃない。なんなんだよそれ。

世界3位だよ。ムンジアル出るたびに表彰台だよ。

ひょっとしたら、そんな人、今後、日本人では表れないかもしれないんだよ。

日本柔術の最前線を、結果としては、今のところ一人で引っ張っている人だよ。

 

日本柔術界で、有名な人はゴマンといるけど、

はっきり言って、そんな人たちとは、全然レベルの違う人なんだよ。本間さんは。

分かってんのかな、みんな。

 

そこをもっとバシッとマスコミはアピールして欲しいし、

(例えば、本間さんが道場開いたら、入会希望者がわんさかわんさか押し寄せる、

 というくらいにならないと、ウソだと思うんだ。

 本間さんが引退して、格闘技業界で食べていくのであれば、

 柔術連盟会長になっても全然おかしくないし、

 むしろ、やるべきだと思うし、周りも推すべきだと思うよ。

 だって他の人、競技者として彼の境地には全然達していないんだから)

なんでもっと敬意を払わないのかなぁ・・・・・・・・・・・・・・・

本当に不思議だ。

 

本間さんにとって、余計なお世話だったらすみません

 

 

身体の動かし方

上で挙げた、身体の動かし方のようなことだけど、

自分の身体を、骨組みとそれを結ぶゴムで考えるんだよね。

 

骨組みはもちろん骨だし、ゴムは筋肉。

僕は針灸師だから、解剖学を勉強したんだけど、あれはホント役に立ったよ。

 

んで、身体を動かすことって、何も考えなければ簡単に思えるけど、

考えて、より効率的にやろうと思うと、めちゃめちゃ奥が深いことです。

 

上手く書けないので、箇条書きになるけど、

・一挙動で身体全体を動かすことはできない。一度に動かせるのは、身体の一部分だけ。

 どこかに力点と作用点がいる。

 どこかを固定しないと、どこかを動かすことはできない。足場がないと、どこも動かない。

(参考・wikipedia)力点と作用点 てこ

 

・体重がかかって重くなっているところ(A)は動かせない。

 Aに体重がかかっている場合は、その体重を別のところにかけて、

 Aを軽くしてから動かす。

 

・似ているのは、クライミング(だと思う。僕はやったことないから)。

 手足4点あって、右手を動かしたいときは、右手以外の左手・右足・左足に体重をかけて

 右手を軽くしてから、右手を動かす。そうでないと動かせない。

 こんなことは、運動神経の良い人は、何も考えなくやれるのだが、

 運動神経の悪い人はそうはいかない。

 

・自分で身体を「動かせる」部分は「関節」のみ。結果として、「骨組み」が「動く」。

 分かりづらいかな。とても大事。めちゃめちゃめちゃめちゃ大事。

 例えば、足先を動かす(ある場所から、ある場所に動かす)のに、動かせるのは、

 背骨の関節、股関節、膝関節、足関節がある。

 上手い人の技見て、その爪先の位置だけ見て、

 同じような位置にあるから良いと言うことではないよ、ということ。

 関節の角度を全て同じにすることが大事なの。

 

ん~、こんだけしか書けないのか。自分の文章力のなさに嫌気がするよ。

誰か何か質問してくれ。

 

 

身体の動かし方(補足

前回書き忘れたこと

 

・骨は伸び縮みしない

例えば、「手の指先を、あの位置(A)にもって行きたい!」といくら願っても、

「肩の位置とAの距離」が、「肩から指先の長さ」より長ければ、絶対に届きません。

でも、こういう人はホントに多いです(僕もそうですが)。

指先をAにもっていきたいのであれば、あらかじめ、「肩の位置とAの距離」を、

「肩から指先の長さ」より、短くしておく必要があります。

 

 

・関節には稼動域がある

上の項目と似てますが、関節には、曲がる方向と曲がらない方向がある。

(言い換えれば、関節の先の部分が動く方向と動かない方向がある)

だから・・・・例えば、足の爪先をあるところにもって行きたくて、

近いんだけど、何故かそこに当たらない場合は、

身体の向きなどを適切な方向に変える必要があるということです。

 

我ながら書きながら当たり前のことかいてるなぁ、と思うし、きっと読んでる人もそう思ってるのかなぁ・・・・

でも、他人ができる技が、自分ができない場合、こういうことが違っていることが多いんですよ。

 

 

・行きたい方向があったら、その方向と重心を結んだ線の先に、力点を置く必要があることが多い。

たとえば、自分の重心が、時計の真ん中にあるとして、自分の身体を12時の方向に動かしたければ、

足は、6時の場所におく必要があることが多い、ってこと。

足を9時の場所において、身体を3時の方向に進ませながら

「あれ~?僕は12時の方向に進みたいんだけどなぁ・・・」って人が多いってこと。

 

 

・力をかけると、作用反作用が起こる

(フェイントをかけて、反応したら逆の技をかけるということではない)

参考 作用反作用

http://www.max.hi-ho.ne.jp/lylle/undo4.html

 

凄く一生懸命書いたんだけど・・・・・他の人の役に立つんだろうか??

役に立つといいな

 

 

 

上達するために

技をかけるには自信が大事。

間違った技でも、自信をもってやってるから改善できるんだよね。

 

「こんな感じですか?」っておっかなびっくりやってることを

ずっと続けていても、あんまり上達しない気がする。

それは、一見謙虚なようで・・・・なんか違う。きつく言うと受身すぎ。他人任せ。

 

他人は誰もその人を上達させることはできません。

知識を増やしてあげることはできます。

でも、身体で習得することは、他人では無理だと思う。

まあ、何か精神的引っ掛かりや思い込みのブロックがある場合は、

なるべく言葉でそれを取り除いてあげれればいいな、

と指導者の僕としては思っていますが。

 

言葉を変えれば「この技で殺るんだ」という意志が本当に必要なんですよ。

 

まあ、これはある程度技をかけれるようになった人に対しての話・・・・かな?

よく分からんけど。

 

本当の初心者さんについては、基本技はいちいち考えないでも身体がすいすい動く

ようになるまで、打ち込みの本数をこなす必要があると思う。

 

動くようになったら、初心者さん卒業。それで白帯かな。

 

一応スムーズに動けるようになっても、それを試合で決めれるようになるためには、

大変なときもあるんだよね。

簡単にかけれるようになることも、もちろんあるけど。

 

その段階では、あんまり数多い打ち込みは必要ないと思う。

身体の中の感覚を大事にして、どうやって動いたら効率的かとか

自問自答することがかなり大事と思う。あくまでも僕の考えだけど。

(正直言って、この段階でないのに「感覚が・・・」とかは言わない方が良いと思う。

 とにかく、はじめは技の名前を覚える。次に、技の名前を聞いたら、

 身体がすいすい動くようになるまで打ち込みをすること)

 

あと、試合に出るのであれば、ひょっとしたら、スピードをつけるための

打ち込みも必要かもしれん。

僕は実はこういう打ち込みをやったことないからよく分からんけど。

(ひょっとしたら柔道時代にさせられたのかもしれないけど、よく覚えていない)

 

 

あと、もちろんですが、人の乱取りや、試合のビデオ見るのも大事ですね。

そして、それを素直に真似すること。なりきること。

 

乱取り中、困ったら「テレレならこんな時どうするかな?」とか

瞬間的に考える(?)こと。僕はテレレ好きだからそうしてたけど。

動きがぜんぜん似ていないと言われそうですが。

 

でも、自分では、かなり真反対のスタイルの人のやり方を

できる限り取り入れようとしたことが良かったんだと思ってるけどね。

 

それは、自分の中で七帝柔道という基礎があったからだ、ということはあると思うけど。

まあ、そんなこと言ったら、この連載はほかの人の役にはまったく立たない

ということになってしまいかねないですね。

 

 

それと、何度もこの掲示板では言ってるけど、

自分の乱取りをビデオに撮って見直すこと。

 

僕はこれをしなかったらここまで上達しなかったと思う。

まあ、これも、自分の乱取りと対比できる何か、

たとえばムンジアルのスーパー黒帯の動きがある程度頭の中にあったから、

ということもあるのかもしれないけど。

 

 

ついでなので、人の乱取りや試合のビデオを見るときの、僕のやり方を

書いておきましょう。確か書いたことなかったと思う。

 

その人と一緒になって動いている気になって、理解できない動き・・・・

たとえば、くるっと回ったり、座ったところから起き上がったり、そんな何気ない動き

 

理解できないってことは、自分ができないってことだから、

そのシーンを何度も何度も見直して「どこに手足があるんだろう」とか

どこに力をかけて、どこを動かそうとしているんだろう?ということを

理解できるまで何度も繰り返し見ようとしますね。

 

もちろん、何度見ても理解できないことも多いですが。

 

たとえば、今日見た柔術魂7のパイバさんの、ガードから起き上がる動き

僕は、実は、あの形で起き上がることができなかったんですよ。

黒帯8年目ですが。

(一応書いておくと、似た形からは起きれるよ。

 でも”あの”形からはおきれなかったの)

 

ちょうど、パイバさんが一人でやってくれた映像があったので、

ありがたく、10回くらい見たのかな・・・

こんなときDVDはホント便利だよ。VHSだったらテープもデッキも壊れるよ。

 

んで「あ~なるほどね」。と自分なりに分かったよ、多分ね。

 

こういうことを毎日毎日何年も何年も繰り返して、すこしづつ上達していくんですよ。

ひとつ気づいたからって、そんなに前と変わらないんだけど、

それを積み重ねて、薄皮を重ねる(こんな言い方あるのか?)ようにしてると、

いつの間にか、かなりの高いところまで積みあがっていくんですよ。

 

だから、まあ、好きじゃないとやってられませんね。

僕はこんなことやるのが仕事になってるから、ホントに幸せなんですけど。

 

 

動きの質、理想のイメージ

林ゆさんに、良い一人ムーブないですか?と訊かれて、

よく訊かれるので、ここで答えておくけど、

 

確かに、色んなムーブはある。それは後日集めて、なんらかの形でまとめるよ。

 

でも、普通に打ち込みすれば良いと思うんだけど。一人ででも。

多分、理想のイメージが無いから、一人でやっても良く分からないから、

でも相手がいればやった気になれるから良いだけのことではないか?

 

自分が、こういう動きをしたい!という動画をなんとかして発見しないと。

そしてそれを何度も見て、それを目指して自分でああでもないこうでもないと

工夫して動いてみることに、向上があると思うんだ。

 

同じ動きは100回やっても質は上がらないよ。

質を上げるためにどうすればよいか考えて、一回一回どこか変えて動いてみて、

その結果を自分なりに解釈して、またより良い動きをするために

どこかを変える、ということを何度も何度も繰り返すことが必要だと思うんだ。

 

もちろん、実戦での一瞬のひらめきは貴重だし、

初心者さんは、考える要素が頭にも身体にも無いから、

ただひたすらわけも分からずに反復することも必要だけどね。